こんにちは、小田急沿線在住歴48年の長井ジンセイ(longlife_JN)です。
引き続きテレワーク中心で、通勤定期を持たずに通勤しています。
たまの通勤時(小田急〜東京メトロ乗り継ぎ)、お得な回数券をせっせと活用していることは以前レポート致しました。
そんな私にとっては大変驚きな「小田急チケット10廃止」とのニュースが入って参りました。
今回は小田急チケット10の終了について、後継の「小田急おでかけポイント」のサービス内容や両者のお得度比較によりレポート致します。
小田急チケット10発売終了
後述する「小田急おでかけポイント」の導入に伴い、小田急チケット10が廃止される旨が小田急電鉄より3月8日にリリース(PDF)されました。
小田急チケット10の発売終了時期は?
2022年7月31日をもって「小田急チケット10(全3種)」の発売が終了になります。
「小田急チケット10(レギュラー・オフピーク・ホリデー)」は、2022年7月31日(日)の終電をもって発売を終了します。事前に購入いただいた各チケットは、有効期限までご利用いただけます。
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa10000022i0l-att/o5oaa10000022i0s.pdf
なお、特殊割引回数券(放送大学通学用・通信教育高校通学用・身体障害者用・知的障害者用)の発売は継続します。
小田急おでかけポイント導入のおまけ程度にリリースされてますが、旧式の時代含め長らく続いた回数券サービスが終了するという大ニュース。
小田急回数券愛好家にとってはお財布にも直結する問題です…
小田急おでかけポイント
回数券(小田急チケット10)を終わらせてまで始める「小田急おでかけポイント」とは、一体どのようなサービスなのか?
小田急チケット10の代わりになり得るのか??
先ずはその内容をチェックしてみます。
「小田急おでかけポイント」とは?
小田急線をPASMOで利用すると小田急ポイントが付与される新サービス、2022年4月1日からスタートします。
新しい生活様式による定期券を持たない通勤スタイルや、お子さまの IC カードでの小田急線利用が1乗車一律50円となることを受け、より多くのお客さまに、お得に小田急線をご利用いただけるよう実施…されるとのこと。
小田急おでかけポイントの利用条件
お得度は追って検証するとして、先ずは小田急おでかけポイントの利用条件を確認しておきましょう。
サービスプラットフォーム「ONE(オーネ)」への会員登録(無料)と PASMO の登録が必要です。
お申し込み登録は「ONE」サイトより承ります。なお、ポイントは ONE ID に情報登録された小田急ポイントカードへ、お子さまの小田急おでかけポイントは保護者の方の ONE ID に情報登録された小田急ポイントカードへ付与されます。
小田急おでかけポイントのサービス対象
登録済みPASMOで乗車することによりポイント還元されるという仕組みです。
PASMOはカード・モバイル共に対象、先日モバイルPASMOに切り替えた私も小田急おでかけポイントが使えます。
受け皿となる小田急ポイントカード所持&ONE会員登録&PASMO事前登録が必須となります。
それぞれの内容について、次にみていきましょう。
ONE(オーネ)とは?
小田急が力を入れている「ONE(オーネ)」、そのサービス内容を確認しておきます。
ONE IDでお客さまの暮らしに役立つシェア リングエコノミー等のサービスをお得に手軽にご利用いただくことができます。
また、ONE IDは小田急が提供するサービスを利用するためのIDでもあります。「小田急ポイントアプリ」のログインにも必要です。
小田急グループのポータル的なサービス、私も昨年から登録しております。
登録無料なので、小田急沿線民なら登録しておいて損は無いサービスです。
小田急おでかけポイント速報レビュー <2022/5追記
開始1ヶ月を経過した小田急おでかけポイントのレビュー記事をアップしましたので、こちらも合わせてご参照下さい。
小田急チケット10と小田急おでかけポイントのお得度を比較
では販売終了となる「小田急チケット10」と、新たに導入される「小田急おでかけポイント」のお得度(還元/割引率)を比較してみます。
「小田急チケット10」の割引率
詳細は前回レビューに記載致しましたが、レギュラー/オフピーク/ホリデーの3種で現金定価の凡そ10%/20%/30%の割引率となっています。
「小田急おでかけポイント」の付与率
さて新たに導入される「小田急おでかけポイント」、一体どの位お得なのでしょうか?
同一月内・同一運賃区間ごとの乗車回数によって、ポイント還元率がステップアップする仕組みになっています。
大人
2~6回:0.5%
7~10回:4%
11~25回:8%
26回以上:12%
同一運賃区間を同一月に2回以上乗車することが条件、回数に応じて0.5%~12%まで4段階に上がっていくシステムです。
付与率はトータル回数に掛けるのではなくステップ毎計算という点は勘違いに注意です。
こども
乗車ごとに運賃×2%
同一条件で小田急チケット10と小田急おでかけポイントのお得度を比較
では両者のお得度比較として、乗車頻度を幾つかパターン化して検証してみます。
試算条件
・290円区間
・小田急チケット10:レギュラー <平日ピークタイム通勤前提
→IC乗車料金(283円✕乗車回数)を基準に、値引/付与率を計算(▲○%)
月に5往復
まず私の利用条件(:週1回+α通勤)に近い5往復=10回/月乗車と仮定して、試算してみます。
■小田急チケット10:2,580円(▲8.8%)
■小田急おでかけポイント:283×10-[283✕0.5%✕5+283✕4%✕4]=2,778円(▲1.8%)
小田急チケット10の圧勝ですね…
小田急おでかけポイントは10回乗車で4%のステージですが、6回を超えた7〜10回目の乗車についてのみ4%付与なので、均した付与率は2%未満です。
月に8往復
次に、週2回=8往復=16回/月乗車と仮定し試算してみます。
■小田急チケット10:4,128円(▲8.8%)
■小田急おでかけポイント:283×16-[283✕0.5%✕5+283✕4%✕4+283✕8%✕6]=4,340円(▲4.2%)
週2回の乗車でも小田急チケット10に軍配が上がります。
小田急おでかけポイントは8%に到達しましたが、11回目以降のみ対象で均した付与率は4%にとどまります…
月に14往復
次に、週3回+α=14往復=28回/月乗車と仮定して試算してみます。
■小田急チケット10:7,224円(▲8.8%)
■小田急おでかけポイント:283×28-[283✕0.5%✕5+283✕4%✕4+283✕8%✕15+283✕12%✕3]=7,431円(▲6.2%)
差は縮まったもののまだ小田急チケット10の方がお得です。
12%付与となる26回目からの乗車回数が相当多くならないと、均した付与率がチケット10の水準まで届きません…
月に20往復
最後に週5回=20往復=40回/月乗車と仮定、ここからは定期券も比較対象に加えてみます。
■小田急チケット10:10,320円(▲8.8%)
■小田急おでかけポイント:283×40-[283✕0.5%✕5+283✕4%✕4+283✕8%✕15+283✕12%✕15]=10,419円(▲8.0%)
■小田急定期券:[1ヶ月定期]10,760円(▲4.9%)/[3ヶ月定期]10,223円(▲9.7%)/[6ヶ月定期]9,685円(14.4%)
※290円の最長区間で試算・3ヶ月/6ヶ月定期は総額を月割計算
ほぼ毎日通勤のサラリーマンレベル、小田急チケット10>小田急でかけポイント>1ヶ月定期券…という順位でした。
このレベルになると、6ヶ月/3ヶ月定期を買うのが一番お得になります。
小田急チケット10⇒おでかけポイントの改悪に対抗するには?
ということで、テレワークメインで定期代支給なく都度精算…な会社員にとっては、「小田急チケット10」を利用した方が「小田急おでかけポイント」を利用するより明らかにお得という結果でした。
今回のニュースは回数券通勤民にとっては「悲報」となる改悪だったということになります…
チケット10の代わり=回数券廃止に対する防衛策・対抗策を、次に検討してみましょう。
小田急チケット10終了後の防衛策は?
「小田急チケット10」終了後は、後継の小田急おでかけポイントを活用するしかありません。
では小田急おでかけポイント利用時に採り得るポイント対策を、次に記載致します。
PASMOチャージ段階でポイントを得る
小田急おでかけポイント獲得にはPASMO所持が必須となります。
乗車前のPASMOチャージ時にポイント還元を得ることで、小田急チケット10廃止による目減り分を一定程度挽回することが可能です。
これが出来るのは、一部のクレジットカードを使ったチャージに限られます。
小田急沿線民のPASMOチャージにはOPクレジットカード
PASMOチャージでポイントが得られるクレジットカードは主に私鉄各社から出されています。
小田急沿線民のベストチョイスは、やはり小田急のハウスカードであるOPクレジットカードです。
まず小田急おでかけポイント受取に必須なOPポイントカード機能を有しています。
更にクレジット機能があることで、PASMOチャージ時にポイント還元を得ることが可能です。
①チャージ・②乗車の2段階でポイント二重取り出来る上、同じOPカードにポイントが一元化されます。
OPクレジットカードでPASMOチャージをして得られるポイントは?
PASMOへのチャージで200円につき1ポイント=0.5%の小田急ポイントが、クレジット利用ポイントとして貯まります。
[1]PASMOにチャージ→クレジット利用ポイント
[2]チャージされたPASMOで乗車→おでかけポイント
…という2段階でポイントを得られることになります。
前述した乗車頻度でPASMO乗車した場合に、OPクレジットカードチャージにより得られるポイントを試算してみました。
※290円区間(IC乗車:283円)で試算・1,000円未満切り上げ(:1,000円単位でチャージ)
月間ポイント | 年間ポイント | |
月5往復 | 15 | 180 |
月8往復 | 25 | 300 |
月14往復 | 40 | 480 |
月20往復 | 60 | 720 |
OPクレジットカードでただチャージするだけで、これだけのポイントを得られる計算になります。
逆に言えば、現金チャージだとこれだけのポイント獲得機会をロスしていることになります。
OPポイント専用カード(クレジット機能なし)は使えないの?
クレジット機能のないOPポイント専用カード(無料)もありますが、これではチャージによるポイント還元が得られません。
チャージ時にポイント還元を得るには、PASMOチャージでポイント還元が得られるクレジットカードを使用することがマストになります。
OPクレジットカードの年会費は?
とはいえ、得られるポイント以上の年会費がかかっては節約観点で本末転倒です。
スタンダードなOPクレジットカード(JCB/Visa/Mastercard®)のケースで、かかる費用を確認しておきましょう。
初年度は年会費無料/2年目以降は本会員:550円のところ年1回以上利用があれば無料になります。
PASMOオートチャージ設定で年会費無料が続く仕組みを構築
この「年1回以上利用」を効率よく確実に充たす方法を、次にご紹介致します。
PASMOオートチャージ設定をし、年1回以上チャージがあれば、年会費無料が自動で続く仕組みが構築可能です。
「年1回買い物しなきゃ…」などと意識することなく、オートチャージされた瞬間に年会費無料が確定します。
私は10年以上OPクレジットカードを使っていますが、年会費発生は一度もなく無料で使い続けられています。
記名PASMO(カード式)の場合は初回申請手続が必要ですが、手続後はOPクレジットカードの有効期間中ずっとオートチャージし続けられます。
オートチャージ額は1,000円~(1,000円単位)〜10,000円の範囲で設定可能、自分の乗車頻度や運賃に合わせて設定できます。
都度チャージ不要になり快適便利な上、PASMOチャージによりポイント付与・年会費も実質無料…とメリット尽くしです。
OPクレジットカードのオートチャージ機能を使えば、残高不足で引っ掛かっている人を横目に、悠々と自動改札を通過する優越感もこっそり得られます(笑)
モバイルPASMOへのチャージも可能
PASMOカード払い出し手数料有料化により利用者増加中のモバイルPASMOへのチャージにも対応している点も、OPクレジットカードの嬉しいポイントです。
モバイルPASMO側の設定でOPクレジットカードからの支払に設定すれば、カード式PASMOへのオートチャージと同等の使用感になります。
小田急ポイント(OPポイント)の使い途は?
OPクレジットカードの利用ポイントも小田急おでかけポイントも、同じ「小田急ポイント(OPポイント)」として貯まります。
小田急ポイントサービス加盟店
小田急沿線のポイントサービス加盟店で使えます。
小田急沿線民なら日常生活圏内で無駄なく使うことが出来ます。
ポイント交換サービス
貯まったポイントを商品等に交換することも可能です。
実際に使われていた改札鋏や網棚などユニークなアイテムが数量限定で登場するのも、OPクレジットカードポイント交換品の特長です。
小田急ポイントのPASMOチャージも可能に <2022/7追記
2022年8月1日から小田急ポイントをPASMOへチャージすることが可能になるとのリリースがありました。
手数料88ポイント必須・手続はセブン銀行ATMで行う…などの利用条件があります。
微々たる小田急おでかけポイント付与で稼いだ貴重なポイントから必ず手数料を取られるし、セブン銀行ATMに行かなきゃならないし(!)…
正直ユーザーフレンドリーではないですね。
モバイルPASMOのアプリからのチャージも出来ない(今後対応予定とのこと)ので、ここはまだ発展途上な感じです。
事業再編やポイントサービス改定への対応は情報収集〜実践あるのみ
ということで、残念ながら改悪だった小田急チケット10の終了についてレポート致しました。
「HOKUO」の営業終了や、「ハイアット東京」売却の噂など、小田急グループの事業再編に関するニュースが最近増えています。
コロナ禍での鉄道利用客減少が少なからず影を落としていると見ることが出来そうです。
またその他ポイント界隈でも、ここのところ楽天の改悪傾向やdポイントのサービス改編など、ニュースが相次いでいます。
利用者としては、次々に変更されるポイントサービスに喰らい付いていくしかありません…
変わりゆくポイントサービスの最新情報を把握しながら、自分にとってお得になるサービスを見極める目や活用する腕が今まで以上に求められそうです。
コメント
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